AWARDS

World Gin Awards 2024-2025
日本受賞ジン完全総覧

日本のクラフトジン界に2つの歴史的快挙が訪れました。2024年 Classic Gin 部門世界最高賞「ニセコohoro GIN Standard」、そして2025年 Contemporary Style Gin 部門世界最高賞「松井 白兎プレミアム」。日本勢が2年連続で部門別の世界最高賞を獲得した2024-2025年の全受賞銘柄を、部門別・蒸溜所別に総覧します。

最終更新: 2026年5月9日 / 出典: World Gin Awards 公式 worldginawards.com、各蒸溜所公式

1. World Gin Awards(WGA)とは

World Gin Awards(以下WGA)は、英国のメディア企業 The Drinks Report が運営する世界最大級のジン専門コンテストです。同社は World Whiskies Awards、World Vodka Awards、World Liqueur Awards 等も運営しており、スピリッツ業界における権威性が確立しています。WGAは2014年以来、毎年開催されており、業界では「ジン界のオスカー」とも呼ばれる存在です。

受賞のヒエラルキーは大きく以下の3段階。

  • World's Best(部門別世界最高賞): 各部門の最高峰
  • Country Winner(国別代表): 国ごとの最優秀銘柄
  • Gold / Silver / Bronze(メダル): 一定品質の客観的裏付け

「Country Winner Gold」のようにGoldメダルのうち国別代表になったものは、特に評価の高い銘柄として扱われます。日本勢は2019年以降、毎年Goldを複数獲得し続けており、ジャパニーズクラフトジンのプレゼンスは確実に高まっています。

2. 部門と審査の仕組み

WGAでは複数のスタイル別部門があり、それぞれで独立して世界最高賞が決まります。主要部門は以下の通り。

Classic Gin 部門

ジュニパーベリーを中心とした古典的なドライジン。日本勢ではohoro GIN Standard(ニセコ蒸溜所)が2024年に世界最高賞を獲得した部門です。

Contemporary Style Gin 部門

ジュニパー以外のボタニカルが主役級に立つ現代的なジン。和素材を多用するジャパニーズクラフトジンの主戦場。白兎プレミアム(松井酒造)が2025年に世界最高賞、香の雫(養命酒製造)が2024年に Country Winner Goldを獲得しています。

London Dry Gin 部門

EU規則「London Dry Gin」基準(人工香料・甘味添加禁止、47%以上等)に準拠した銘柄。Nozawa Gin(野沢温泉蒸留所)が2024年にCountry Winner Goldを獲得。

Old Tom Gin / Aged Gin / Flavoured Gin / Signature Botanical 部門ほか

樽熟成ジン、フレーバージン、特定ボタニカルを主役に据えたジンなど、専門部門が複数あります。ohoro GIN Limited Edition ニホンハッカは2025年 Signature Botanical部門で Country Winner Gold、Shiso Gin(野沢温泉)は2024年 Flavoured Gin部門で Country Winner を獲得。

重要な注釈: 「World's Best」はカテゴリ別の世界最高賞であり、全カテゴリ総合の単一最高賞ではありません。「日本のジンとして史上初」という表現は公式裏付けが取れないため、本サイトでは使用していません。一方「日本勢が2024 Classic / 2025 Contemporary で2年連続部門別世界最高賞」は事実です。

3. 2025年: 白兎プレミアムが Contemporary 世界最高賞

WORLD'S BEST CONTEMPORARY STYLE GIN 2025

白兎プレミアム(マツイ ジン HAKUTO Premium)

松井酒造合名会社(鳥取県倉吉市)/ 47% / 700ml / ¥3,960(税込)

明治43年(1910年)創業の老舗・松井酒造合名会社が手掛ける看板銘柄。基本9種ボタニカル(ジュニパー・鳥取県産梨・コリアンダー・オレンジピール・ゆずピール・和山椒・玉露・サクラ・ブラックペッパー)に、プレミアム5種(非公開)を加えた合計14種で構成。鳥取県産の梨を主役素材に据えるアプローチが、世界の審査員から「他にない香り」として高く評価されました。

白兎プレミアムは過去6年連続でWGA入賞という地道な改良の歴史を持ちます: 2020 Gold → 2021 Bronze → 2022 Silver → 2023 Bronze → 2024 Gold → 2025 World's Best。10年近い研鑽がついに世界最高賞という頂点に到達した、象徴的な銘柄です。

「2年連続世界最高賞」の意味

2024年のニセコohoro GIN Standardが Classic Gin 部門世界最高賞を獲得した直後、2025年に松井白兎プレミアムが Contemporary Style Gin 部門世界最高賞を獲得したことは、ジャパニーズクラフトジンが「クラシック(伝統的なドライジン)」と「コンテンポラリー(現代的な和素材主役)」の両極で世界の頂点に立ったことを意味します。

WGAの公式サイトでも、2025年のレビューで「Japan continues to excel」(日本は依然として卓越している)と評されており、今後3年〜5年の日本勢の動きが世界的に注目されています。

4. 2024年: ohoro GIN Standard が Classic 世界最高賞

WORLD'S BEST CLASSIC GIN 2024

ohoro GIN Standard(ニセコ蒸溜所)

株式会社ニセコ蒸溜所(北海道虻田郡ニセコ町)/ 47% / 700ml / ¥4,500(税別)

2019年2月創業、2021年10月グランドオープンの新興蒸溜所。創業からわずか5年で世界最大級のジンコンテスト Classic Gin 部門の頂点に立ちました。北海道ニセコ町の湿原に自生するヤチヤナギニホンハッカを主役素材に据え、ニセコ安比岳の高品質軟水で蒸留。13種ボタニカル設計で、47%の高アルコール度数に仕上げています。

ニセコ蒸溜所公式は本銘柄を "clear and smooth with a solid core and light citrus notes"(透明感のある滑らかさ、しっかりとした骨組みと軽い柑橘ノート)と表現。同年に ISC 2024 Trophy / Double GoldSFWSC 2024 Double Gold も獲得しており、複数コンテスト同時受賞という分かりやすい裏付けを持ちます。

2024年 受賞時の意義

ニセコ蒸溜所は2019年創業。初出品から数年で世界最高賞という圧倒的速度は、日本のクラフトジン業界全体への自信となりました。当時、海外メディアでは「The new face of Japanese craft gin」(日本クラフトジンの新顔)として大きく取り上げられ、その後の日本勢の躍進の起点となった象徴的な受賞です。

5. 2024-2025 日本勢 Gold・Country Winner 全銘柄

2025年

受賞 銘柄 蒸溜所 部門
World's Best白兎プレミアム松井酒造Contemporary Style Gin
Country WinnerMatsui Gin Hakuto Premium松井酒造Contemporary Style Gin
Country Winner Goldohoro GIN Limited Edition ニホンハッカニセコ蒸溜所Signature Botanical
Gold香の森 KANOMORI養命酒製造(駒ヶ根工場)Contemporary Style Gin
GoldROKU〈六〉47%サントリー大阪工場Classic Gin(Japan代表)

2024年

受賞 銘柄 蒸溜所 部門
World's Bestohoro GIN Standardニセコ蒸溜所Classic Gin
Country Winnerohoro GIN(Standard)ニセコ蒸溜所Classic Gin Japan代表
Country Winner Gold香の雫 KANOSHIZUKU養命酒製造(駒ヶ根工場)Contemporary Style Gin Japan代表
Country Winner GoldNozawa Gin野沢温泉蒸留所London Dry Gin Japan代表
Country WinnerShiso Gin野沢温泉蒸留所Flavoured Gin Japan代表
GoldClassic Dry Gin野沢温泉蒸留所Contemporary Style Gin
Silver季の美 京都ドライジン京都蒸溜所London Dry Gin
Silver季の美 勢(KI NO BI SEI)京都蒸溜所London Dry Gin

※ 受賞情報はWorld Gin Awards公式と各蒸溜所公式リリースで一次ソース確認済み(嘘ゼロ準拠)。

6. 過去5年(2019-2023)の主要受賞

2024-2025の世界最高賞2連覇は、突然訪れたものではありません。2019年以降の継続的なGold受賞の積み重ねが、世界の審査員に「日本ジンの実力」を浸透させていきました。

2023年

  • Country Winner Gold: ohoro GIN Standard(ニセコ蒸溜所、Classic Gin Japan代表)
  • Gold: 季の美 勢(京都蒸溜所、London Dry Gin)
  • Silver: 香の雫 40%(養命酒製造、Contemporary Style Gin)

2021年

2020年

2019年

7. 日本勢の傾向分析

傾向1: Contemporary Style Gin に強い

日本勢のWGA受賞銘柄を見ると、Contemporary Style Gin 部門での実績が突出しています。和素材(柚子・山椒・玉露・桜・蒸溜所固有のボタニカル)を主役級に据えるスタイルは、世界の審査員にとって「他にない個性」として強く印象に残るためです。2025年世界最高賞の白兎プレミアム、2024年のCountry Winner Gold香の雫、2024 Gold Classic Dry Gin(野沢温泉、48%・3種ボタニカル)など、現代的なボタニカル使いが評価されています。

傾向2: 受賞蒸溜所の地理的分散

受賞蒸溜所は北海道(ニセコ蒸溜所)、長野(野沢温泉、養命酒製造)、京都、大阪(サントリー)、広島(サクラオ)、鳥取(松井)、宮城(ニッカ)と全国に分散しています。これは「地域固有素材を活かす」ジャパニーズクラフトジンの本質であり、同時に受賞は東京や首都圏の蒸溜所に集中していないこともポイントです。

傾向3: 単発の世界最高賞より継続的Gold

ニッカ カフェジン(2019, 2021)、季の美(2020, 2023, 2024)、香の雫/香の森(2023, 2024, 2025)、ohoro GIN(2023, 2024, 2025)など、複数年にわたって連続受賞している蒸溜所が日本勢のコアです。一発屋ではなく、継続的に高品質を維持できる蒸溜所が強い。

傾向4: 受賞前後で価格は急騰しない

「世界最高賞を取ったから即値上げ」というジンは現状ほぼありません。白兎プレミアムは¥3,960、ohoro GIN Standardは¥4,500と、世界最高賞ジンとしては極めて手頃な価格帯を維持しています。「世界水準のジンを世界最低価格帯で味わえる」のが、いま現在の日本勢の魅力です(市場価格は変動の可能性があります)。

次に読むなら

本記事について Gin-DBの受賞ジン総覧は、World Gin Awards公式サイト(worldginawards.com)と各蒸溜所公式リリースで一次ソース確認済みの情報のみを掲載(嘘ゼロ準拠)。「日本のジンとして史上初」「全カテゴリ世界一」のような検証不能な表現は使用していません。受賞情報は今後の年度で更新されます。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。