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山椒ジンおすすめ12選
実山椒・葉山椒・ぶどう山椒で比較

日本固有のスパイス「山椒」は、ジャパニーズクラフトジンを世界に押し上げた立役者の一つ。当サイト掲載の34銘柄から、受賞歴・山椒の使い方・地域バラエティのバランスで12銘柄を選び、3グループに分けて紹介します。「山椒主役の少数精鋭型」「山椒バランス型」「四川山椒・葉山椒の異端派」までを網羅。

最終更新: 2026年5月9日 / 出典: 各蒸溜所公式サイト・World Gin Awards公式・TWSC/IWSC/SFWSC公式

1. 山椒という日本固有のスパイス

山椒(学名 Zanthoxylum piperitum)は、ミカン科サンショウ属の落葉低木。北海道〜九州まで広く自生し、葉・花・実・幹皮までほぼすべての部位が食用 or 薬用として使われてきました。独特の痺れる辛味はサンショオール(α-sanshool)という揮発性成分由来で、四川料理の麻婆豆腐に使われる四川山椒(花椒)と近縁ながら、和山椒の方が香りに気品があるとされます。

クラフトジンのボタニカルとして山椒が脚光を浴びたのは、2016年の「季の美 京都ドライジン」発売以降。京都蒸溜所が「6つのエレメント(礎・柑・凛・辛・茶・芳)」のうち「」のエレメントに山椒を据えたことで、ジンの世界に和の辛味文化が持ち込まれました。

現在、当サイト掲載の218銘柄のうち34銘柄(約16%)が山椒を使用しています。これは柚子(38銘柄)に次ぐ採用率で、ジュニパー(必須)の次に多いボタニカルの一つです。

2. 山椒の種類(実山椒・葉山椒・ぶどう山椒・四川山椒)

「山椒」と一括りに言っても、ジン製造で使われる部位・種類は様々です。本記事を読み解く前に、4種類の違いを整理しておきます。

実山椒(みざんしょう)

未熟な緑色の果実を収穫したもの。痺れる辛味と鮮やかな緑の香りが特徴で、ジンへの使用例が最も多い形態です。本記事の12銘柄のうちほとんどがこのタイプを使っています。和歌山県有田・京都府京北・奈良県吉野などが産地。

葉山椒(はざんしょう)

春先の若葉を摘んだもの。実山椒よりマイルドで青い香りが強く、辛味は控えめ。「木の芽」とも呼ばれ、和食の薬味として広く使われます。季の美はボタニカルに「木の芽」を含み、黒澤 白樺GINでは葉山椒を主役素材として採用しています。

ぶどう山椒(葡萄山椒)

和歌山県有田川町〜紀美野町で栽培される大粒の高級山椒。果実の房状の付き方がブドウに似ていることから命名。一般の山椒より香りが繊細で辛味の伸びがあるとされ、和歌山の紀州熊野ジンなどに使われています。年間生産量は数百キロと希少。

四川山椒(花椒・ホアジャオ)

中国四川省産の山椒近縁種。和山椒より刺激的な辛味と独特のフローラル感が特徴で、麻婆豆腐の「麻」を司ります。富士白蒸留所のDOJAはインド・ゴア州の蒸留所と共同開発した特殊エディションで、四川山椒を主要素材に据えた珍しい例です。

3. グループA:山椒主役型 4銘柄

山椒の存在感が圧倒的に立つ4銘柄。ボタニカル数を絞った設計か、地域固有の山椒(有馬山椒・葉山椒・ぶどう山椒)を採用しているのが共通点です。

WGA 2024 GOLD(CONTEMPORARY STYLE)

1. CLASSIC DRY GIN(野沢温泉蒸留所)

長野県下高井郡野沢温泉村 / 48% / 500ml / ¥4,850(税込・公式)

本記事の山椒主役ナンバーワン候補。ボタニカルは山椒・ビアンカレモン(広島)・オリスルートのわずか3種のみという徹底した少数精鋭設計で、山椒の存在感が他の追随を許しません。WGA 2024でContemporary Style Gin Goldを獲得し、世界の評価も確立。野沢温泉の標高1,000m近い清涼な空気感が、48%の高アルコール度数と山椒の鋭い辛味に重なる、立体的な仕上がりです。

兵庫・有馬山椒

2. KOBE GIN YAMA(神戸蒸溜所)

兵庫県神戸市北区大沢町 / 43% / 700ml / ¥3,850(税込・公式)

兵庫の名産有馬山椒を主役に据えた地域素材型ジン。ボタニカルは有馬山椒・静香園緑茶・柚子・青紫蘇・ジュニパー・楠の6種のみに絞られ、有馬山椒の繊細な辛味が立つ設計です。海をテーマにした姉妹銘柄UMI(すだち・いかなご・鰹節・海苔)と対をなす「山」のジンとして、瀬戸内の食材ペアリングに最適。3,850円という価格設定も山椒主役ジンとしてはコスパ良好です。

葉山椒・米由来スピリッツ

3. 黒澤 白樺GIN(黒澤酒造)

長野県南佐久郡 / 40% / 500ml / ¥3,300(税込・市場実勢)

安政五年(1858年)創業の黒澤酒造(長野・佐久)が放つ、白樺と山椒のジン。ボタニカルはジュニパー・白樺枝葉・葉山椒・梅・桑の実のシンプル構成で、葉山椒主役は本記事中本銘柄のみ。米由来スピリッツに白樺樹液を約3割ブレンドする独自製法により、葉山椒の青々とした香りと白樺の優しい甘さが融合した、北信州らしい仕上がりです。

和歌山・ぶどう山椒

4. JAPANESE CRAFT GIN 熊野(紀州熊野蒸溜所)

和歌山県西牟婁郡上富田町 / 53% / 500ml / ¥5,500(税込・公式)

和歌山県の高級山椒「ぶどう山椒」を採用した個性派。ボタニカルは19種と多彩で、真妻わさび・ぶどう山椒・南高梅・吉野杉・温州みかん・サカキなど、紀伊半島の固有素材を惜しみなく投入。53%という高アルコール度数がぶどう山椒の繊細な辛味を立体的に保ち、ストレート派にも応えます。世界遺産「熊野古道」を冠する物語性も、贈答や記念日に映える銘柄です。

4. グループB:山椒×他素材バランス型 5銘柄

山椒を主役級の1素材としながら、玉露・柚子・桜花など他の和素材と多層的に組み合わせた5銘柄。「ジャパニーズクラフトジン」のスタンダードを担う名作群です。

WGA 2023 COUNTRY WINNER GOLD

5. 棘玉 TOGEDAMA(武蔵野蒸留所)

埼玉県川越市 / 47% / 700ml / ¥4,950(税込・公式希望小売)

山椒・河越茶・柚ピール・桂皮・ジンジャーで構成される、本格中華にも通じるスパイス感が魅力。WGA 2023 Japan Country Winner Gold、IWSC 2022 Gold、SFWSC 2022 Gold、Feminalise 2022 Goldと4コンテスト同年Gold受賞という驚異の実績。山椒の辛味とジンジャーの温かみが47%の高度数で立体化される、和食ペアリングジンの新定番です。

日本初のジン専門蒸溜所

6. 季の美 京都ドライジン(京都蒸溜所)

京都府京都市 / 45% / 700ml / 市場実勢 約¥4,500〜¥5,500(オープン価格)

2016年に日本のクラフトジンブームの起点となった伝説的銘柄。11種ボタニカルを「礎・柑・凛・辛・茶・芳」の6エレメントに分けて別々に蒸留→ブレンドする独自製法を採用し、山椒は「辛」のエレメントを司る重要素材です。木の芽(葉山椒)も含み、実と葉の双方の山椒文化を1本に表現。WGA 2020 Gold等、長期にわたる国際評価を持つ「ジャパニーズクラフトジンの古典」。

ISC 2025 BEST DISTILLED GIN TROPHY

7. ROKU〈六〉(サントリー大阪工場)

大阪府大阪市港区 / 47% / 700ml / ¥4,000(税抜・公式希望小売)

和素材6種(桜花・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子)と伝統ボタニカル8種を組み合わせた合計14種ジン。サントリーは設計思想を「shun(旬)」と表現し、秋の山椒が他季の桜・煎茶・柚子と循環的に響き合う構成。2025年 ISC で "Best Distilled Gin" Trophy を獲得した世界水準の銘柄です。山椒は1素材でありながら、季節を象徴するエレメントとして機能します。

WGA 2025 WORLD'S BEST

8. 白兎-HAKUTO-(松井酒造・鳥取倉吉蒸溜所)

鳥取県倉吉市 / 40% / 700ml / ¥1,496(税込・公式希望小売)

2025年 WGA Contemporary Style Gin部門の世界最高賞を獲得した白兎プレミアムの兄弟銘柄、レギュラー版。9種ボタニカルに和山椒・ゆずピール・玉露・サクラ・鳥取県産梨を含み、本記事中最もコスパに優れた山椒ジンです。1,496円という価格で世界最高賞蒸溜所の山椒設計に触れられるのは、入門用としての価値が極めて高い。

TWSC 2022・2023 金賞

9. AWA GIN(クリアボトル)(日新酒類)

徳島県板野郡上板町 / 45% / 720ml / 市場実勢 約¥5,500

徳島の山田錦由来米アルコールをベースに、すだち・木頭ゆず・阿波晩茶・国産山椒を組み合わせた地域素材型ジン。マケドニア産ジュニパー以外はすべて徳島県産という地産地消の徹底ぶり。TWSC 2022・2023の連続金賞、ISC 2020・2021 銀賞と国内外での評価も確立。山椒の使い方は控えめで、阿波晩茶・すだちと共存する繊細な設計です。

5. グループC:個性派・異端 3銘柄

山椒の使い方が「異端」な3銘柄。四川山椒、和柑橘×山椒、沖縄ボタニカル×山椒など、定石を外した設計です。

四川山椒・インド共同開発

10. DOJA(富士白蒸留所)

和歌山県海南市 / 47% / 700ml / ¥4,180(税込・公式)

本記事で唯一、四川山椒(花椒)を採用した特殊エディション。インド・ゴア州の蒸留所と富士白蒸留所が共同開発し、ジュニパー・柚子ピール・杉・桧・ペパーミント・四川山椒・フェンネル・カルダモン・コリアンダーで構成。和山椒のクリーンな辛味とは異なる、マスカット様の麻のフローラル感がDOJAの個性です。麻婆豆腐・坦々麺など中華料理ペアリングでこそ真価を発揮します。

WGA 2019 GOLD

11. ニッカ カフェジン(ニッカ宮城峡)

宮城県仙台市青葉区 / 47% / 700ml / ¥4,345(税込・参考価格)

ニッカ独自の「カフェ式連続蒸留器」で仕上げた11種ボタニカルジン。柚子・甘夏・かぼす・シークヮーサーの和柑橘4種+山椒という構成で、柑橘の華やぎを山椒が引き締める設計です。山椒主役ではないものの、和柑橘の中で山椒の鋭い辛味がアクセントとして際立つ、独特のバランス。WGA 2019 Goldを受賞しており、入手しやすさと品質を両立した「日常の山椒ジン」として位置づけられます。

TWSC 2021 金賞・57% NAVY STRENGTH

12. ネイビーストレングス クラフトジン(石川酒造場)

沖縄県西原町 / 57% / 500ml / ¥3,930(税込・公式直営)

沖縄唯一のネイビーストレングス57%ジン。9種ボタニカル(ジュニパー・コリアンダーシード・カーブチー・タンカン・ピパーチ・カラキ・フェンネル・ジンジャー・山椒)の中で、山椒は和素材として唯一参戦し、沖縄固有素材と意外な調和を見せます。泡盛ベース+57%という強烈な設計の中で、山椒の辛味は逆に控えめなアクセントとして機能。TWSC 2021 金賞を獲得した、和×沖縄×ネイビーの三段構造ジンです。

6. 12銘柄 一覧比較表

# 銘柄 山椒の種類 度数 参考価格
1CLASSIC DRY GIN(野沢温泉)実山椒48%¥4,850
2KOBE GIN YAMA有馬山椒43%¥3,850
3黒澤 白樺GIN葉山椒40%¥3,300
4JAPANESE CRAFT GIN 熊野ぶどう山椒53%¥5,500
5棘玉 TOGEDAMA実山椒47%¥4,950
6季の美 京都ドライジン実+葉(木の芽)45%市場実勢¥4,500〜
7ROKU〈六〉実山椒47%¥4,000(税抜)
8白兎-HAKUTO-和山椒40%¥1,496
9AWA GIN(クリアボトル)国産山椒45%市場実勢¥5,500
10DOJA四川山椒47%¥4,180
11ニッカ カフェジン実山椒47%¥4,345
12ネイビーストレングス(沖縄)実山椒57%¥3,930

※ 山椒の種類は、各蒸溜所公式サイトに「ぶどう山椒」「有馬山椒」「葉山椒」「四川山椒」「実山椒」等の特定表記がある場合のみ明記。一般的な「山椒」表記は実山椒(みざんしょう)と推定。

7. 山椒ジンの飲み方

王道:トニックウォーター割り(1:3〜1:4)

山椒の鋭い辛味はトニックウォーターのキニーネと相性抜群。ジン1:トニック3〜4の比率で割ると、山椒の痺れが背景に静かに広がります。お好みで木の芽(葉山椒)を1枚浮かべると、香りに立体感が加わります。詳しくはジン&トニックの黄金比もご参照ください。

和食ペアリング:山椒系料理に

麻婆豆腐、うなぎの蒲焼き、鶏の山椒焼きなど、料理側にも山椒が使われている料理と合わせると、山椒の香りの倍音化が起きます。45〜48%度数のクラフトジン(CLASSIC DRY GIN・棘玉・季の美など)は、強い味付けの和食に負けない香り強度を持つので、ペアリング適性が高いです。

マティーニ:山椒の存在を最大化

ヴェルモットを少なめにした「ドライマティーニ」に、山椒主役のジンを使うと、山椒の辛味と香りがダイレクトに表に出ます。レモンピールで香りを引き立てるのが王道。CLASSIC DRY GIN(野沢温泉)や JAPANESE CRAFT GIN 熊野(紀州熊野)のように高アルコール・少素材タイプは、特にマティーニに向いています。

ストレート・オン・ザ・ロック:山椒愛好家向け

50%超のジン(紀州熊野53%、ネイビーストレングス57%)は、ストレートでも崩れません。少量ずつ口に含み、舌の上で温めてから飲み下すと、山椒のサンショオール由来の痺れが段階的に広がる体験ができます。本格的な山椒愛好家にはこの飲み方が一番です。

次に読むなら

本記事について Gin-DBのランキング記事は、各蒸溜所の公式サイトで山椒の使用が確認できた銘柄のみを対象とし、受賞歴・地域バラエティ・価格帯のバランスで12選を選定しています(嘘ゼロ準拠)。「味の優劣」は人それぞれであり、本記事はそれを断定するものではありません。価格は記事執筆時点(2026年5月)の参考値です。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。